友へ

高校の時。
同じゲームをプレイしていて、同じ地点で詰まっては何時間も電話で話しましたね。
「パスワードはみちびきのことば」
簡単すぎる答に気が付かず、
お互いのことを馬鹿だ馬鹿だと言って笑いましたね。
通話料金がとんでもない額になっていたのを覚えています。
あれから16年。
今度はドラクエをネタにして延々と話をしましたね。
話をしない日よりも話をしている日の方が多かった。
今度は電話ではなくスカイプだから料金のことを気にする必要もなく。

特に話をするでもなく、ただ通話が繋がっているだけ。
そんな日も多かった。
それでも十分だった。
貴方の病気のことを知っていたから。
「回線の向こう側に貴方がいる、確かに存在している。」
口に出して伝えたことはなかったけれど、
そんな当り前のことを感謝することも多かった。
今となってはそれすらも望めない。

貴方の病気を知り、
同じことをできる最後の機会かもしれないと思ったのが
このゲームを始めるきっかけだった。
それが現実になってしまった今、ただ、辛く、悲しく、悔しい。
けれど、貴方はもっと、もっともっと悔しいでしょうね。
ゲームの中でも特にドラクエが好きだったのに、
この先のドラクエを知ることができない所へ行ってしまったのだから。

病気のことではなくバージョンアップ情報で一喜一憂できるのは平和だな。
と密かによく思っていたけれど、
振り返ってみれば、本当に、平和なひとときだった。
もう戻らぬ人。
もう戻らぬ日々。

この先、貴方や貴方との思い出が心に浮かぶ度に、
「ああ、これも一緒にできなくなった。あれも一緒にできなくなった」
という思いが同時に浮かぶだろう。
「できなくなったこと」を列挙して嘆くよりも、
「できたこと」を懐かしく思い出す方が良いのかも知れないけれど、
今はまだ、そこからはとても遠いところに立っている。

ゆっくりやすんで。
正直な所、本心からはそう言えない自分もいる。
けれど、痛みに悩まされて苦しんでいたのも知っているから。
今は痛みも不安も感じることなく、やすめるね。

おやすみなさい。



貴方とこのサイトを作れたことが本当に嬉しい。
ありがとう。
けれど今ここは、貴方を思い出すことが多すぎて、辛い。
今後こことどのように向き合うのか。
まだ、わからない。


                                 2015.6.10.



  • 最終更新:2015-06-10 20:42:14

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